渡辺崋山の『八勿の訓』に学ぶ
『八勿の訓』① 面後の情ニ常を忘スル勿【ナカ】レ
大意 直接面談している時、その時の感情に流され平常心を忘れるようなことがあってはならない。
『八勿の訓』② 眼前の繰廻シに百年の計を忘スル勿レ
大意 現在、只今のやり繰りに、百年の大計を忘れてはならない。
『八勿の訓』③ 前面の功を期シテ後面の費を忘スル勿レ
大意 前の収益を取ろうとして、後の費用がかかることを忘れるな。
『八勿の訓』④ 大功ハ緩にあり機会ハ急にありといふ事を忘スル勿レ
大意 大きな功績はゆっくり積みあげてゆくものだが、チャンスは急にくる事を忘れるな。
『八勿の訓』⑤ 面は冷ナルを欲し背ハ暖を欲スルト云ヲ忘スル勿レ
大意 表面は冷静でありたいが、心は暖かでありたいという事を忘れるな。
『八勿の訓』⑥ 挙動を慎ミ其恒ヲ見ラルヽ勿レ
大意 行動をつつしんで、自分の本心を見破られないようにしろ。
『八勿の訓』⑦ 人を欺かんとスル者ハ人ニ欺ムカル不レ欺ハ即不レ欺レ己といふ事を忘スル勿レ
大意 人をだまそうとする者は人にだまされる。いつわらないということは、自己をいつわらないことである事を忘れるな。
『八勿の訓』⑧ 基立テ物従ハ基ハ心の実といふ事を忘スル勿レ
大意 基本が立てば、あとはみなそれに従う。基本は誠実である事を忘れるな。
著者プロフィール
1931年 青森県生まれ。一橋大学及び一橋大学大学院に学ぶ。
ライシャワー博士が所長を務められたハーバード燕京研究所に研究員として学ぶ。その際に交渉学に接し、衝撃を受ける。
以後、憂国の念をもって、日本での交渉学研究に心血を注ぐ。1983年に国際基督教大学で『交渉行動』の講座を開設。これが日本でハーバード流交渉学を紹介した嚆矢となり、以後常に交渉学の最前線で研究、教鞭をとり現在に至る。
- 1954年-58年
- 一橋大学商学部在学
- 1958年-64年
- 一橋大学大学院商学研究科在学
- 1964年-68年
- 神奈川大学経済学部助教授
- 1968年-97年
- 国際基督教大学教養学部教授
- 1973年-74年
-
ハーバード大学燕京研究所(米国)客員研究員
ハーバード大学ではじめて交渉学が教えられた1973年に在学。帰国後、ハーバード流交渉術を日本にはじめて紹介し、以後、日本の交渉学の第一人者となる。 - 1997年-2002年
- 東京国際大学商学部教授
- 1988年-92年
- 日本経営数学協会 会長
- 1988年-2009年
- 日本交渉学会 会長 (現 名誉会長)
- 1989年-2021年
- ライシャワー大学院大学設立準備委員会代表
- 2003年-2021年
- 特定非営利活動法人 日本交渉学会 理事長
- 2021年
- 特定非営利活動法人 日本交渉協会 名誉理事長
著書
『心理戦に負けない極意』(PHP研究所) 安藤雅旺共著
『ビジネス交渉術―成功を導く7つの原理』PHP研究所 著者:マイケル・ワトキンス 監訳
『交渉力研究Ⅰ交渉力研究Ⅱ』プレジデント社
『交渉の原理・原則―成功させたいあなたのための (原理・原則シリーズ)』総合法令
『交渉学教科書―今を生きる術』文眞堂 R.J.レビスキー/D.M.サンダーズ/J.W.ミントン 監訳
『交渉ハンドブック―理論・実践・教養』東洋経済新報社 日本交渉学会 監修
『脅しの理論―すばやく決断し、たくみに人を動かす (1980年) (カッパ・ビジネス)』光文社
『幕末の交渉学 (1981年)』プレジデント社 など多数
- 書名
- 心理戦に負けない極意
- 出版社
- PHP研究所
- 著者
- 藤田 忠 (著), 安藤 雅旺 (著)
- 書名
- 脅しの理論―すばやく決断し、たくみに人を動かす
- 出版社
- 光文社
- 著者
- 藤田 忠 (著)
- 書名
- 交渉ハンドブック―理論・実践・教養
- 出版社
- 東洋経済新報社
- 著者
- 藤田 忠 (監修), 日本交渉学会 (編集)
- 書名
- 「燮」の交渉力―必ず成功する101の原理
- 出版社
- PHP研究所
- 著者
- 藤田 忠 (著)
- 書名
- 交渉力研究〈1〉
- 出版社
- プレジデント社
- 著者
- 藤田 忠 (著)
- 書名
- 交渉力研究〈2〉
- 出版社
- プレジデント社
- 著者
- 藤田 忠 (著)
- 書名
- 交渉力の時代
- 出版社
- PHP研究所
- 著者
- 藤田 忠 (著)
- 書名
- 交渉のうまい人、へたな人―あなたに欠けているものは何か?
- 出版社
- 三笠書房
- 著者
- 藤田 忠 (著)
- 書名
- 破壊の理論―問題の核心をつかみ、大胆に動く
- 出版社
- 光文社
- 著者
- 藤田 忠 (著)