特定非営利活動法人 日本交渉協会
特定非営利活動法人 日本交渉協会
交渉アナリスト1級会員
遠藤 修弘
これまでのお仕事の経歴についてお聞かせください
航空自衛隊では戦闘機操縦士として国防の任務につき、その後、操縦教官として後輩操縦士の育成に携わってきました。操縦教官時代には、国土交通省の航空従事者試験官に代わって、国家資格である事業用操縦士(実技試験)の試験官として後輩操縦士の合否を判定しました。また、青森県にある三沢基地では飛行場の管理運営を行う部隊の隊長として、約20名の部下との密なコミュニケーションをとり、それぞれの身上を把握した上で、様々な問題に部下と一緒に取り組むことで一人の退職者も出しませんでした。静岡県の浜松基地では、航空祭の企画及び運営、広報活動、基地対策業務、マスコミ対応など渉外室長として先頭に立って仕事を行いました。航空祭を含む各イベントに大勢の皆様に参加していただき、いかに成功裏に納めることができるかについて創意工夫し、航空機の騒音苦情を含む基地周辺の環境問題に真摯に向き合うことで住民の理解を得てきました。また、広報活動の一環としてドラマ撮影に協力し、撮影スタッフや基地隊員との綿密な交渉や打合せにより、よりよい映像が撮影できるように心がけました。さらに、マスコミ対応では分かりやすい言葉で伝えて理解を得るというよりよいコミュニケーションに努めました。航空自衛隊定年後は、スズキ株式会社で10年間、社内研修講師として研修の企画及び運営に携わってきました。特に新入社員研修では航空自衛隊での経験を活かし、チームワークや規律心を醸成するための研修を行ってきました。10年間で研修講師や司会者として324講座を担当しました。
交渉学を学ばれたきっかけ(交渉学を学ばれる前に苦労された経験など)
航空自衛隊渉外室長時代に住民や報道陣の方々と接し、コミュニケーションを通じての相互理解を得ることの難しさを体験しました。特に住民の方々からの苦情対応には本当に苦労しました。直接、お詫びに伺ったこともありましたし、苦情対応にあたった部下がメンタルダウンしてしまうこともありました。この時から人に理解を得るにはどうしたらよいかを深く考えるようになりました。その後、スズキ株式会社に入社し、新入社員研修では営業職の新入社員にも研修を行っていました。その内容は、新入社員として必要な基礎的な項目でしたが、私自身、営業の経験がなかったので、営業職の研修を行う上では、営業に関することを学ばななければならないと考えるようになりました。しかし、その時から実際に営業を経験することができないため、営業に代わって何か学べるものはないかとネットで検索していた時に出会ったのが交渉アナリストでした。言葉で人に伝える難しさに長く思い悩んでいた私に稲妻がはしりました。まさしくこれこそが私の求めていたもの。すぐに勉強を始めましたが勉強を進めるうちに交渉学の面白さに目覚めました。
交渉学を今後どのように活かしていきますか(交渉に対する姿勢、モットーなど)
定年退職となり、これまでのスキルを活かして個人事業主として委託契約による研修を行っていくこととしました。まさに営業活動が始まりました。これからの営業活動を含む交渉ごとにおいては交渉アナリストとして学ばせて頂いた統合型交渉を目指し、依頼先様との信頼関係を構築して、長くお付き合いのできる関係を築いていきたいと思います。