特定非営利活動法人 日本交渉協会
松浦敬史
特定非営利活動法人 日本交渉協会
交渉アナリスト1級会員
松浦 敬史
現在のお仕事についてお聞かせください
コンクリート二次製品(雨水側溝や擁壁等)のメーカーという、皆さんがあまり聞きなれない業種の営業企画室に所属し、新規販路の開拓及び会社の営業体制の抜本的変更の検討をしております。
簡単に言えば、営業手法を含めた会社の古い体質を見直すことが目的の仕事です。
私は現在の客先でもあるゼネコン業界に長く勤務していたので、発注者サイドの考え方を踏まえた営業手法や営業体制を考えられるだろうと、旧知の友人でも会った現社長から、お誘いを受け、6年目になろうとしています。
交渉学を学ばれたきっかけ(交渉学を学ばれる前に苦労された経験など)
この業界は、今の会社を含めて過去に起こったコンクリートの塩害事件(コンクリ—トクライシス)などによって、大変弱い立場を抜け出ることができないでいます。
営業マンはメーカーであるにも関わらず、下請けのような扱われ方を受け入れていることが多いため、周りの営業マンの卑屈な態度を変えるような社員教育を施したいと思った事と、以前から今後の自分のキャリアを考えた時に自分の交渉力にお墨付きを得たいと思った事がきっかけでした。(勉強してみてその深さに自分のことが恥ずかしくなりましたが。笑)
交渉学を学んでどう実践していますか?
今まで以上に各営業マンに同行し、客先に訪問することを増やしています。こちらの強みをしっかりと、それも角なく伝え、単に製品を納めるだけのメーカーではなく、施工現場をスムーズに進めるためのパートナーとして意識していただくことも出来てきています。
同行した営業マンも、近視眼的な判断をしがちであった事に気づき、目の前の相手とは長い付き合いの始まりであると俯瞰した視点で見ることが出来れば、相手のメリットが自分のメリットとなるという事がわかってきているようです。
自分の価値を上げるには時間がかかると思いますが、人間成長は交渉の基盤でしょうから、政治や経済だけでなく、様々な世界に興味を持ち、相手にとっての自分の価値を上げていってほしいと思っています。
交渉学を学び今後どのように活かしていきますか(統合型交渉の実践の例、交渉に対する姿勢、モットーなど)
交渉アナリスト一級に認定されたとはいえ、勉強すればするほど、交渉の深さと、自分の浅さが痛感された勉強期間でした。
今は交渉という大海原に解き放たれたような気分です。しかし、自分の年齢からして、いつまでも目の前の海を傍観しているわけにもいきません。勉強と実践を急ピッチで進め、近い将来に今の会社だけでなく、広く交渉を伝えていけるようになりたいと思っています。
交渉には、なによりタフな精神力が必要だと思います。これは勉強では培えない。困難な交渉の現場を多く経験しなければ養えないと思っています。今後も常に交渉人の現役として、困難な交渉に挑んでいきたいと思います。