交渉アナリスト1級会員
加藤 有祐
現在のお仕事についてお聞かせください
通信・IT業界の会社で、ビッグデータやAIを活用したサービスを開発する部門の責任者、ベンチャー企業のCTOを兼任し、日々、人々がより幸せになるようなサービスの開発を行っています。ベンダーとの交渉はもちろんの事、素晴らしい技術を持っている世界中の企業と、アライアンス交渉も頻繁に行っています。そういった経験から、交渉の重要性に気づき、社内でも認定講師として交渉力研修を開催し、交渉力の認知度および体系化されたノウハウを浸透させるべく奮闘しています。
交渉学を学ばれたきっかけ(交渉学を学ばれる前に苦労された経験など)
まだ私が社会人になって5年目ぐらいの頃、かなりハードルの高い社外交渉を任されました。弊社側の要求事項のレベルが高く、初回の交渉では何一つ進展しないまま失敗に終わりました。この失敗を挽回すべく、交渉力を学びはじめました。その結果、私達の価値だけではなく、相手の価値を深掘りし、双方の満足度がきちんと得られるような提案を行った結果、合意を得ることができた、そんな経験があり、そこからは交渉力の魅力にどんどんはまっていきました。
交渉学を学んでどう実践していますか?
実際の現場では、社内での他部門との交渉、社外では世界中のIT企業とのアライアンス交渉がメインとなりますが、ほぼ全ての交渉において統合型交渉を目指して交渉しています。弊社側の提供価値と、相手側の提供価値を組み合わせ、協創する統合型交渉をまずは提案し、「どうすればできるか」という視点で交渉をスタートします。もちろん全てが価値創造できる訳ではありませんが、少なくとも、価値交換でお互いの満足度が最大化されるWinWin交渉になるように心がけています。価値の次元を増やし、相手の本質的な利益を引き出すことで、想像以上の価値を共に作ることが出来ています。
交渉学を学び今後どのように活かしていきますか(統合型交渉の実践の例、交渉に対する姿勢、モットーなど)
「世界平和の鍵は交渉力である」が私のモットーです。奪うのではなく、協力する。お互いの価値の関心度合いの違いを利用することで双方がハッピーになれる交渉へと変化します。この交渉力は、決して、外交やビジネス交渉のようなレベルの高い場面だけの話ではなく、家庭でのコミュニケーションはもとより、小学生の頃から教えることで余計な争いがなくなっていくのでは無いかと思います。本来は必修科目として取り扱っても良いぐらいではないかと思っていますが、まずは、微力ながら、社内外への講師活動を積極的に行い、交渉力を通した世界平和への貢献を行いたいと思っています。