特定非営利活動法人 日本交渉協会
特定非営利活動法人 日本交渉協会
交渉アナリスト1級会員
奥村 幸司
    これまでのお仕事の経歴についてお聞かせください
    大学卒業後、総合電機メーカ-に就職し、電子デバイス事業に携わってきました。その間、会社の事業分割・スピンオフによる勤務先の変遷はありましたが、一貫してデバイス事業に係わり、主に海外営業~事業企画~海外企業提携といった業務で様々な交渉を経験して参りました。自身のキャリアの中では海外営業の期間が長く、海外大手顧客との様々な交渉で胃の痛くなるような交渉も経験し、交渉そのものについて興味を持ったのが、交渉学の扉を開けたそもそものきっかけです。また、将来キャリアとして自身の知見・経験を企業支援に活かせればと考え、会社在籍中に中小企業診断士の資格を取得しました。その後、長年勤めていた電子デバイスメーカーを退職し、現在は公的機関で中小企業の海外展開・販路開拓支援の仕事を行っています。
    交渉学を学ばれたきっかけ(交渉学を学ばれる前に苦労された経験など)
    海外顧客の営業を約10年に渡って担当し、その間の様々な交渉経験が、交渉学に関心を持ったきっかけです。営業プロセスとしては、顧客へのプロモーションを行い、サプライヤー認定がなされ、次にデバイスの要求仕様が顧客から提示され、サプライヤーから見積もりを提示して受注が決定する、というのが典型的な手順です。当初は仕様面で他社との差別化が難しく、価格のみの交渉で受注が決定する、典型的な「分配型交渉」となっていました。私の担当顧客は欧米顧客が中心だったのですが、契約交渉も、日本的な交渉ではなく、定量的なコミットを求められました。そうした中で、「交渉学」なる学問があることを知り、ハーバード流交渉術を初めとした様々な書籍で理論面を勉強し始めました。その後は、交渉学のフレームワークを活用し、交渉前準備や統合型交渉への変換等も含め、交渉に対して冷静に対応できるようになったと思います。
    交渉学を今後どのように活かしていきますか(交渉に対する姿勢、モットーなど)
    現在、中小企業の海外展開・販路開拓の支援を行っていますが、中小企業の海外進出にあたっては、現地代理店や事業パートナーとの間で様々な交渉局面が発生し、商談や提携の成約までの交渉面での支援も必要になります。こうした支援をしていくために、自身の経験やこれまでの学習内容を体系的に整理する必要があると考え、日本交渉協会で交渉学の学習をし、交渉アナリストの資格を取得しました。交渉は、理論と実践の2輪だと思います。理論を理解した上で場数を踏む、場数の経験を抽象化・言語化して理論に組み入れていき、更に実践を重ねる、というようなサイクルを継続する、その上で、相手方との信頼関係を構築する人間力を切磋琢磨していく、いわば終わりのない学びであると考えています。