特定非営利活動法人 日本交渉協会
交渉アナリスト1級会員
柄澤 春明
現在のお仕事についてお聞かせください
高校の国語教師を25年間務めています。
教育現場は利益を生み出すという発想に欠けるため、一般社会と比較して変化のスピードが遅く、変化することは好まれません。また、合理性を追求しません。
このような状況の中、交渉的な考え方が浸透すると、仕事も楽しくなるし、生徒も社会性を養えるのではないかと思っていました。
交渉学を学ばれたきっかけ(交渉学を学ばれる前に苦労された経験など)
私は職業柄、対人コミュニケーションを円滑に進めたいという気持ちをずっと抱いてきました。
人の心の動きにも興味があり、大学院で心理学を学びましたが、現実世界では分析レベルに留まり、行動に落とし込むことに難しさを感じていました。
「交渉アナリスト」という言葉を初めて見た時、コミュニケーションを自分自身でコントロールできる可能性を感じました。また、「人が2人以上集まれば、交渉が始まる。」という言葉から、人が生きていくうえで、交渉的なものの考え方が不可欠であることを実感しました。
資格取得については、「交渉アナリスト2級」「交渉アナリスト補」とステップアップしていきましたが、課題レポートの作成や想定事例の演習を通じて、「これは面白い!」と感じました。それまでの私の価値観に新たな視点を与えてくれたことが大きな収穫だったと思います。
交渉学を学んでどう実践していますか?
私はライフワークとして「7つの習慣」の個人向けファシリテーションをしています。そこでは公的成功を果たすためにwin-winの関係構築を重視しており、相互理解の先にシナジーが生まれ、予想を上回る好ましい結果を手に入れることができるとされています。ただ、「7つの習慣」は志の高さや人格の完成が基盤にあるため、「私たちの日々の現実を構成する諸問題をどのように解決に導いていくのか」といった点を補ってくれる理論を探していました。
交渉理論は「7つの習慣」に書かれている原則と親和性が非常に高い理論と言えます。「相手との共存共栄を図るもの」、つまり「win-win関係の構築」を目的にしており、理想を追求しながらもきわめて現実的で、現代社会を生きるうえで必要な考え方です。そのため、交渉アナリスト資格取得のプロセスは、「私の案でも、あなたの案でもない、双方の案を昇華させた第3の案が必ず存在するはずだ」という私の価値観を後押ししてくれました。
その結果、日常生活では、常に「第3の案」を意識しながら行動するようになったと思います。分配型交渉に陥りそうになる自分自身を外側から見つめ、「どうしたら統合型交渉に高められるか」について考えると、それだけで気持ちが和らぎ、同時にわくわくします。理想と現実のバランスを取りながら、問題を冷静に見つめることができるようになったと思います。
交渉学を学び今後どのように活かしていきますか(統合型交渉の実践の例、交渉に対する姿勢、モットーなど)
私たちが無意識のうちに下している決定の見直しを図りたいと思っています。そのためには、小さなことから交渉的視点に基づいて考えていくことや、これから起こりうる大きな問題については、さまざまな交渉プランを練って向き合うことが必要であると考えています。
人格形成が私の目標ですが、ぶれないメンタルを現実の行動に転化していく軸として、交渉理論を採用していきます。特に、身近な人の相談に乗る際は、改善策提案の大きな拠り所として交渉理論に基づいた提案をしていきたいと考えます。納得と喜びと感謝が、私の生きがいになるはずです。