特定非営利活動法人 日本交渉協会
特定非営利活動法人 日本交渉協会
交渉アナリスト1級会員
村上 達志
現在のお仕事についてお聞かせください
現在はユニオン(個人加盟の労働組合)執行委員として、労働者からの相談を受けて、会社経営者や会社側弁護士と交渉するという仕事をメインにしています。
また会社側からの、不満を持った社員対応、ユニオン対応の依頼も受けています。
win-winの姿勢に労使の立場の違いはありません。
交渉学を学ばれたきっかけ(交渉学を学ばれる前に苦労された経験など)
元々経営者側社会保険労務士として、労使トラブルに対応することが大好きでした。
その時の姿勢が、労使双方満足のwin-winをいつも貫いていました。
それを聞いた交渉アナリスト1級保持者の知り合いが、「交渉学はwin-winそのものだから村上さんに合うと思う」と言って勧めてくれたのがきっかけです。
交渉学を学んでどう実践していますか?
労使トラブルの全ては感情の問題で、感情を晴らすために金銭が後から付いて来るんだと実感しています。
労働者からの依頼を受けた時点では、「あんなに悪い会社をやっつけて下さい!取れるモノは全部取って下さい!」という分配型がスタートになります。
そこから相手方と交渉するのですが、相手方にはこの依頼者の姿勢をそのままぶつけずに、「私は労働者からの言い分のみを聞いていますが、会社側の言い分をお聞かせいただきたいと思います」と丁重な姿勢で、交渉相手との信頼関係を結ぶことを第一に考えて交渉をスタートさせます。
その後も、相手方の粗を探してやり込めることはせず、いかにして相手が気持ちよく沢山の解決金を支払ってくれるか?を常に念頭に置いて交渉しています。
その結果、相手方経営者から「ユニオンは怖い存在と思っていたけど、村上さんと出会えて心から良かったと思っています」と言っていただいたり、経営側弁護士として有名な相手方弁護士から「これまで出会ったユニオンの中で、一二を争う穏やかなユニオンでした」と言っていただくこともありました。
また、怒っている依頼者に最初から統合型交渉を求めても受け入れてくれないので、どこかの時点で、「自分が正しい」という姿勢から、「相手にも事情があるかもしれない」という相手を理解しようという姿勢に転じる、ターニングポイントを見つけることが大事だと感じています。
経営者にとって恐怖の存在「ユニオン」の印象を覆すことが、この上ない喜びです。
交渉学を学び今後どのように活かしていきますか(統合型交渉の実践の例、交渉に対する姿勢、モットーなど)
今後は労働問題以外の場でも交渉学を生かしていき、残りの人生を世界平和に貢献したいと考えています。